あとがき


この文章をご覧になっているかたの中には、演劇祭に足を運んでくださったかたもいらっしゃると思います。

またそうでなくても、幻想劇団まほろにご興味を持ってくださった方、

演劇がお好きな方、偶然このページにたどり着いた方、

理由はともあれ、これも何かのご縁です。

 

この度は公開脚本、もしくはこのあとがきに目を通してくださりありがとうございます!

 

この作品の作・演出を務めさせていただいた、花西イオリと申します。

一つの物語にも感じることはひとそれぞれですが、より多くの人に楽しんでいただければ幸いです。

この貴重な経験を通じて、今後とも精進いたしますので、

何卒、幻想劇団まほろを宜しくお願いします。

 

さて、ここから下の文で、この作品及び上演の背景に触れました。

こちら側の話をつらつらと書いておりますが、ご興味があれば是非一読ください。

 

【表裏vol.1 風船と花について】

 初版は2月頃。名古屋学生演劇祭の上演が9月だったので、そこから考えると約半年前になります。初版完成当初は上演予定の目処も全く立っておらず、執筆のモチベーションは「複数の視点から一つの真が浮かんでくる物語」への興味が大半。結果、30分以上1時間未満のなんとも微妙な中編が完成しました。当然改変なしでは扱いづらいので、しばらくはお蔵入りの覚悟でした。

 そうはいっても、点と点を結ぶように描いていった一つの世界、そしてそこに生まれた人物は、どんな作品であれ唯一無二。大切で愛おしいものです。そして今回、約2時間の議論の末(!)この物語のお披露目にあたって、「名古屋学生演劇祭」という機会に恵まれました。とても嬉しく、有り難く思っています。しかし、演劇祭参加作品として課された条件に基づき改変していく過程で、惜しくも省かざるを得なかった場面、変えざるを得なかった展開も多くありました。20分の作品としてはベストを尽くしましたが、振り返ると、やはり選考に振るい落とされた言葉たちも、その色を以てしてこの物語を支えていたのではないかと思うのです。この件で主宰と話し、演劇祭は幕を閉じましたが、当ホームページにてこの「表裏vol.1風船と花」の改変前バージョンを公開させて頂くことにしました。正確には、書き直しにあたって上演後の作品講評会で頂いたご意見も参考にさせていただので、改変前の訂正版になりますね。

 さて、今回の作品のメインとなる「花人」。生まれた当初は花言葉に忠実に生きる人格のみでしたが、幾度の会議を重ね、花人ならではの身体の仕組み、エピソードなどが深く詰められていきました。このことについては、今後花人にまつわるお話を書く機会がありましたら、少しずつ加筆していく予定です。(ちなみに現段階ではvol.2は影も形もありません。)個人的なことを言うと、今回の物語は私が高校生の頃に書いていた物語の雰囲気からがらりと変わり、過去最高の爽やか度を更新しました。笑 

 また上演後、数人の方から「風船に込められた意味」を尋ねられましたが、こちらとしては特に設定していません。ただ、風船の「浮く」「沈む」「膨らむ」「割れる」という性質が、最初にも最後にも二人を結び付けるものになった、ということです。タイトルの「風船と花」は「風船とエリ」とも「風船と紫野風」とも読めます。風船は、二人を繋ぐキーアイテム。それ以上の意味は、ご想像にお任せします!

 

 

【使用許可について】

…というお話をするのも恐縮ですが…。

万が一、稽古等で使用されたい団体様がいらっしゃいましたら、

当サイトのmessage、または幻想劇団まほろのTwitterアカウントのほうへご連絡お願いします(^^

とても励みになります!

 

 

2016年2月2日 花西イオリ